2014年05月09日

筑後相談窓口開設

 当研究会では、これまで福岡市と北九州市で弁護士による医療事故相談(法律相談)を行って来ましたが、2014年4月1日から筑後地区での相談を希望される方々のために、久留米市を中心に相談を受けることができる体勢をとることにしました。


【実施要領】

1 開始時期:2014年4月1日〜

2 申込先 :0942(27)6090
       筑後相談受付

3 相談方法
 申込先にお電話いただければ、相談カードをお送りいたします。受け取られましたら、相談カードに必要事項をご記入のうえ、上記申込先にご返送下さい。相談カードが届きましたら、こちらで相談担当弁護士を決めて同弁護士から相談日時・場所のご連絡を致します。

4 相談場所:原則として、相談担当弁護士の事務所です。

5 相談料
 初回の相談料は無料です。
 2度目以降の相談や事件処理を弁護士に依頼される場合には有料になります。その場合は、事前に相談担当弁護士が費用等の説明を致します。

 今後、他の相談同様ご利用いただければ幸いです。

(管理人)

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2013年06月06日

先達のあゆみをあすにつなぐために


 九州・山口医療問題研究会は、1980年、当時の若手弁護士の呼びかけにより結成されました。呼びかけ人の中心にいたのが、昨年12月1日に66歳で亡くなった池永満弁護士です。

 医療問題研究会は、かつて活動報告集「医療に心と人権を」を不定期に発行していました。1981年に発行されたその第1集に、池永弁護士は次のように書いています。


 いま医療事故における責任追及が、「病める医療」に人間性のひかりを照らす重大な道義的役割をも果たしつつあると感ずるのは私だけだろうか。

 医療事故における責任追及は「保身医療」を生むとの見解もあるが、むしろ医療過誤訴訟の前進が、人間の生命を扱う者としての「道義心」や医療事故における原因究明や相互批判等の「科学的良心」など、本来医師や医療機関が有すべき当然の「倫理」の不存在を鋭くえがきだし、医療界内部における「医の倫理」の確立への気運を高める積極的要因となっているのが現実ではないだろうか。

 ところで「医の倫理」は単に「心」だけの問題ではない。私は、先日医学部の学生達と話をしているうちに一つのことに気がついた。医療の荒廃をなげいているかたわら、治療における医師の自由裁量論を当然の前提、「聖域」としていることである。病気と闘うのは患者自身であって、患者の主体性なしに治療は効果をあげえない。医療は本来患者自身のためにあるし、どのような医療を受けるかは患者自身が決定すべきことである。患者を単なる「対象物」とする「医療」は真の医療ではない。



 今読み返しても、全く古びていない言葉の力強さに、改めて驚かされます。

 同じ頃、全国各地で同様の動きがあり、いくつかの医療問題弁護団が立ち上がっていますが、あえて「弁護団」と名乗らず、「研究会」とした理由について、池永弁護士は、医療をよいものにしていくためには医療関係者自らがその活動に加わらなければならないのだから、医療関係者もともに参加する活動とするために、そうしたのだ、と語っています。

 医師や薬剤師など医療関係者もまた正会員として参加しているのが、九州・山口医療問題研究会の際だった特徴のひとつであり、そういう組織であり得たのは、会が、単に医療過誤訴訟における患者側代理人としてのスキルアップにとどまらず、当初から医療は患者中心であるべきこと、患者を主体としての医療を確立することによってこそ、患者にとっての安全な医療、医療従事者としても理想とすべき医療は可能になるという理念を、医療従事者と共有することからスタートしたからだと言えます。


 九州・山口医療問題研究会は、まさに池永弁護士が生みの親であり、各役職の役割付けも池永弁護士のアイデアを引き継いで今に至ります。医療関係者事務局という組織やその構成メンバーも、多くは、池永弁護士が、その学生時代から連綿と続けてきた活動を通じて獲得した人的資源からなっています。設立から30年以上を経、それぞれが30年以上の年を重ねています。この先、持続的な活動が可能であるためには、より若い層の成長が必要です。


 6月2日、福岡市内のホテルで、「池永満さんを偲び『新・患者の権利』の出版を祝う会」が開催され、200名を超える方々が集い、彼の功績を振り返りました。最初に彼の足跡をたどるスライドを上映した後、第1部として、高校時代の同級生、大学時代運動をともにした友人による人となり、第2部として、まちづくり条例運動などの市民運動や弁護士会活動における活動の特徴、第3部として、患者の権利運動について、それぞれ縁の深い人が語るシンポジウムの構成で、各人が自分の知る池永弁護士について語りました。

 この日の参加者には、出版されたばかりの『新・患者の権利』が贈呈されました。

 『患者の権利』の初版は、1994年に出版されました。
 
 それまで「医療に心と人権を」をはじめ、様々なメディアに寄稿した患者の権利に関する論考をまとめ、新たに書き起こして1冊としたものでした。その後1997年に増補改訂版を出したものの、2年間の英国留学を経て帰国した翌年の1999年、患者の権利オンブズマンを立ち上げ、その理事長としてのみならず、相変わらず広い視野を持って幅広く活躍していた池永弁護士でしたが、2009年、福岡県弁護士会会長を務めていたさなか、悪性リンパ腫との診断を受けます。しかし、そのことを妻でありベストフレンドである早苗さん以外の誰にも知らせず、また副作用が多く、活動の妨げとなる化学療法は拒否し、食事療法に努めながら、弁護士会活動を精力的にこなしました。

 会長職を全うした後、拠点をふるさとの直方市に移して、仕事のペースを緩めることなく活動していましたが、心筋梗塞、胃がん、肝細胞がん、その肺転移、小脳転移と、次々に大変な病に襲われました。

 なんといっても彼のみごとだったところは、かかる中でも決して希望を失わず、常に先を見て、新たな課題を設定し、それに向かって邁進していったことです。緩和ケアに関するオンブズマンの調査報告書をまとめあげ、直方駅舎の保存運動を立ち上げ、原発再稼働差し止め訴訟でも中心を担う…、客観的には「治癒不能ながん」と診断されたひとがやったこととはとても信じられないほどの活躍ぶりでした。


 池永弁護士は、昨年2月の講演を最後に、表向きの仕事からは手を引き、『新・患者の権利』の執筆に集中します。最後は病院で過ごすことになりましたが、ノートパソコンと原稿を片時も手放さず、ときには病室で徹夜を重ねて、一通りの原稿を書き終えたのち、12月1日に旅立っていきました。

 その『新・患者の権利』、妻の早苗さんが彼の遺志を継いで校正にあたり、このたびの出版にこぎ着けました。池永弁護士による序文やあとがきには、彼がこの出版にこだわり、自分の病勢がどうなろうとも、必ず発行しなければならないと考えた思いについても書かれています。


 本書は、その目次を見ていただければ一目瞭然のことではありますが、この30年にわたり日本の患者の権利運動に携わってきた皆さんが、共に汗を流してきた成果を集約しようとしたものであって、私もその一員として活動してきたにすぎませんが、事務局的な役割が与えられてきた者の責任上、私の名前で出版することにしたものです。だからこそ、私は本書をこれまで全国で患者の権利運動を担ってきた者の共通の思いを次の世代に伝えるバトンとして綴ることができたものです。



 自分が弁護士人生を賭して関わり、大きな前進を獲得してきた患者の権利運動のバトンを、次世代に引き継ぐ、そのための道しるべとして、文字通り命を削るようにして仕上げたのでした。

 その池永弁護士から、手渡されたバトンの重みをかみしめながら、これからの活動にあたっていきたいと思います。そのあゆみを明日につなぐために。

(久保井 摂)
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2013年05月22日

絶えない歯科インプラントのトラブル


 美味しいご飯を食べることが一番の楽しみだという人は、私以外にも多くいらっしゃることと思います。ご飯を噛む、飲み込む、そして人と話をするためには、やはり、「歯」が必要です。

 そのため、歯周病や虫歯で歯を失ってしまった場合には、入れ歯やブリッジなどで補う必要がありますが、入れ歯であれば異物感があったり、ブリッジであれば前後の歯を削らなければならなかったりと、欠点もあります。

 そこで、「自分の歯に近い感覚が取り戻せる」として、近年、歯科インプラントが注目されてきました。歯科インプラントとは、歯がなくなったところの骨に金属を埋め込み、その上に人工の歯を作る方法です。トラブルが起きなかった場合には、自分の歯と同じように食事をすることができるようになります。


 一方で、国民生活センターには、歯科インプラントにより危害を受けたという相談が2006年以降の約5年間で343件寄せられており、相談件数は増加傾向にあるそうです。

 受けた危害の内容としては、歯や口腔の痛み、腫れ、痺れや噛み合わせの問題などがありますが、中には、唇や歯茎に麻痺が残った、痛みが取れず夜も眠れない、食べ物を噛めず体調を崩したなど、日常生活に大きな影響が及んでいるという相談も多く寄せられています。

 また、顎の骨に金属を埋め込む際に大量出血したケースや、最悪の場合、患者が亡くなったケースも報告されています。


 ではなぜ、歯科インプラントのトラブルが絶えないのでしょうか。

 一つ考えられる理由としては、歯科インプラントは自由診療であり、標準的な治療方法が定められていないという点があります。

 また、保険診療の場合と異なり、監督官庁の目も届きづらいため、十分な技術を持たない歯科医師が治療に携わっているという点も指摘されています。

 そして、残念な話ではありますが、歯科インプラントの治療費は歯科医師が自由に決めることができるため、高い収益を求めて、すべきでない治療まで実施されたという報告もあります。


 このような現状を受けて、歯科インプラントの安全性を高めるため、現在、複数の学会が協力して標準的な治療のルールを定めた指針の策定が進められています。また、学会、大学及びメーカーの連携により、歯科医師の教育環境も整えられつつあります。

 しかしながら、まだまだ、安全対策は不十分です。


 それでも歯科インプラントを受けるのであれば、信頼できる病院選びが、何よりも大切になります。

 病院が信頼できるかどうかを判断する基準として、一つ目には、 歯科医師が十分な問診や検査(CT検査など)を行った上で、適応やリスクについてきちんとした説明をしてくれたかどうか、ということが大切だと思います。

 二つ目には、歯科インプラントは早急にしなければならない治療ではないので、契約することを急がせない、ということも大切だと思います。


 歯科インプラントの相談は、私たちの弁護団にも複数寄せられています。また、全国を見ると、多くの訴訟が提起されています。

 私が相談を受けた方の場合は、お話を伺う限り、そもそも歯科インプラントの適応がなかったとしか思えないケースでした。ところが、無理に治療を行った結果、短期間のうちにインプラントが全て脱落し、その上、インプラント周囲炎により、自歯まで抜かざるをえなくなっていました。

 ちなみに、この治療にあたった歯科医師は、歯科インプラントの適応やリスクに関する説明は殆どないまま、数百万円(!)の治療費の前払いを要求したそうです。

 相談者は、インプラントが全て脱落した後、病院に対して治療費の返還を求めましたが、返還を拒まれたので、弁護士の相談に来られたのでした。

 
 このように、まだまだ問題は残っている歯科インプラントですが、今後も需用は伸びていくだろうと思われます。

 歯科インプラントを望む患者が安心して治療を受けられるよう、ガイドラインの策定や、歯科医師への研修など、引き続き積極的な対策がとられることを期待します。

(中西俊枝)
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2013年05月07日

乳幼児医療費助成制度


 わが家のもうすぐ2歳児は,本当によく病気にかかります。さっきまで機嫌良く遊んでいたと思ったら,突然吐いて,高熱を出して,ぐったり・・・。その度に,病院まで子どもを連れて行き,小児科医の「大丈夫ですよ。」の言葉をもらってきました。こんなことが何度繰り返されたことやら。


 これは,わが家のもうすぐ2歳児が病弱だからではありません。乳幼児は免疫力がまだ弱く,大人だと平気なものでも敏感に反応し,体調を崩してしまうからです。しかも,体力がないので,重篤化しやすい傾向にあります。

 病気にかかりながら免疫力を付けていくので,悪いことではないのですが,親としてはやはり心配です。


 現在,乳幼児医療費助成度が全国で整備されており,乳幼児の医療費の一部もしくは全額について行政の補助が受けられるようになっています(助成の内容は,都道府県で異なります。)。

 乳幼児は体調の変化を泣くことでしか訴えることができず,また,核家族が進んだ現在では親も子どもの体調の変化にうまく対応することができない状況にあります。そのため,乳幼児医療費助成制度は,全国の乳幼児を抱える親にとって,安心して育児にあたることができるための不可欠な制度となっています。

 医療費の無料化はコンビニ受診を増加させるという声もありますが,医療費を気にして,受診を躊躇してしまい,子どもに必要な医療を受けさせられないことの方が問題ではないでしょうか。

 親も,子どもの病気について初体験なことばかりですので,結果として重篤な病気でなくても小児科医から「大丈夫ですよ。」という言葉をもらいながら,親として成長していくのだと思います。


 政府は,環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加を決めました。

 TPPは,農産物の輸出入だけの問題ではありません。TPPは,原則的に全品目の関税を撤廃することを目指していることから,これにより医療においても混合診療が増加し,国民皆保険制度が崩壊するとも言われています。そうなれば,乳幼児医療費助成制度も危うくなってしまいます。マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」のような世界になってしまうかもしれません。

 もうすぐ2歳児を抱える親としては,TPP交渉の行方をしっかり監視しなければと思います。

(佐川民)

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2013年04月30日

新人弁護士向けの研修会を実施しました


 4月24日に新人弁護士向けの研修会を実施しました。

 内輪の話で恐縮ですが、九州山口医療問題研究会の特徴や活動内容を知っていただく上で一般の方にも参考になるのではないかと考え、内容について紹介させていただきます。

 この研修会は、主に昨年12月に弁護士として登録された新人を対象として、九州山口医療問題研究会の取組みについて理解してもらうためのものであり、毎年実施しているものです。

 今年も10名ほどの新人弁護士にご参加いただき、私が講師を務めさせていただきました。


 新人のみなさんにご理解いただきたかったのは、いくら医療事件をこなしても、弁護士は医療に関しては飽くまで門外漢であるということを肝に銘じる必要があること、一方で、医療研には弁護士をサポートするしくみがあるので、新人でも安心して参加してもらえるということです。

 医療に関して弁護士が門外漢であるとは当たり前のことなのですが、重要な視点だと思っています。ある程度医療事件に取り組んでいても、弁護士のみの思い込みで事件処理をしない、やはり自分は門外漢なのだというところに立ち返って、慎重に事件処理をするということが大事だと思います。

 医療研では、弁護士の思い込みによる事件処理を防ぐという意味もあって、依頼者の方が医療機関の責任追及をしたいという意向をお持ちの場合でも、いきなり提訴等するのではなく、まず、法的責任追及ができるかどうかの見込みについて調査する、調査事件として事件を受任します。

 そして、この段階で、できる限り医学文献を収集して検討し、協力医等、専門家である医師の意見を十分に聞きます。これによって、担当者が当該事件の医学的な問題点について初めて理解することができるのです。


 次に、サポートに関してですが、医療研では弁護士が複数で相談や事件の担当をするので、いきなり1人で医療事件を担当しなければならないということはありません。弁護士同士の議論によって個別の事件に対する理解を深めることもできますし、先輩弁護士から医療事件に取り組む上で必要な技術の伝承を受けることもできます。

 特に、(専門的な話になって恐縮ですが)医師証人に対する反対尋問は、新人弁護士1人では到底太刀打ちできません。先輩弁護士に事前準備を通じて(みっちりと)指導を受け、現場でもフォローしてもらうことで、やっと乗り越えることができるものです。

 また、毎月医師が参加する事例検討会を開催していますので、自分の事件を持ち込んで、医師や他の弁護士からの意見を聞くこともできます。

 さらに、弁護士同士で判例勉強会を開いたり、医師を招いて医療ゼミナールを開催したりしており、新人弁護士が望めば研鑽の機会も与えられますし、そのような研究の成果を発表する場面として、シンポジウムや全国交流集会を開催したりということも行っています。


 ・・・というようなことを、新人研修会で話したつもりですが、新人弁護士のみなさんにはどの程度理解していただいているものやら。研修会後の懇親会で確認してみようかとも思いましたが、全く関係のない話に花が咲き、確認はできず仕舞いでした。

 懇親会が楽しい(だけでなく、時に深い話が聞けることもあります)ことは、実は九州山口医療問題研究会の隠れた特徴なのですが、そこは、新人弁護士のみなさんにも伝わったかもしれません。

(石井謙一)
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2013年04月19日

ピアサポートのちから

ある男が穴に落ちた。穴が深くてはい上がれない

ちょうど通りかかった医者に助けを求めたが、医者は処方箋を穴に落として去っていった

次に通りかかった神父に助けを求めたが、祈りを書いた紙を穴に落として去っていった

次に友人がきた
「助けてくれ!」と声をかけると、友人は穴に飛び降りた

男は言った
「おいおい、2人とも落ちてどうする」

友人は答えた
「大丈夫。おれは前に落ちたことがあるから脱出の方法を知ってる」


 なんだか、よくわからないアメリカンジョークのようですが、これは、わたしがはまっていた海外ドラマ(アメリカの大統領とその側近たちを描いたもの)の中でのセリフです(言い回しは正確ではありませんが)。

 このセリフを言った本人がドラマの中でアルコール依存症の問題を抱えていたこともあって、これを聞いて、私が最初に思い浮かべたのは、「ピアサポート」という言葉でした。

 「ピアサポート」とは、同じような立場の人によるサポート、同じような課題に直面する人同士が互いに支え合う活動のことです。アルコール依存で悩む人たちが集まってミーティングをして、自分の経験や今の状況、思いなどを語り合ったりする断酒会などが有名で、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

 アルコールや薬物依存の問題に限らず、子育てに悩むママたちのサークル、障がいのある人の集まり、学生支援、自死遺族の集いなど世の中には色々な分野でピアサポートが行われています。

 病気に関しても、肝臓病の患者会、ガンの患者会などがその役割を果たしていることも多いようです。以前もご紹介しましたが、「死生学講座第1回『笑う終活講座』」で講師をつとめてくださった波多江伸子さんも、ともにがんで亡くなったご両親を看取り、自らも二度甲状腺がんを患った経験から、何人もの、死に直面したがん患者の伴走者として活動し、「がん・ばってん・元気隊」という患者サポート活動に従事されています。

 医療事故によって自分や大切なひとの健康や命を損なわれてしまった人たちの集まりもあります。


 ピアサポートのいいところは、同じような課題を抱えているからこそ悩みを共有できたり、既に同じような悩みを乗り越えた先輩の経験を聞くことで、自分が抱えている課題の解決の糸口がみえたりすることだと思います。

 自分が問題に直面したときはもちろんですが、問題に直面している人と会ったら、選択肢としてピアサポートを紹介できるようにしたいです。

 もちろん、問題の解決方法として、祈り(宗教)や病気にかかった場合の医師の治療が重要な選択肢であることは言うまでもありませんし、弁護士に相談することで解決できる問題もありますので、相談してみてくださいね!

(緒方枝里)
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2013年04月10日

医療研B班会議


 当弁護団では、福岡の所属会員をA班・B班の2班に分け、それぞれ毎月1回、勉強会を開催しています。

 私はB班に所属しているのですが、去る4月9日、今年度最初のB班会議が開催されました。

 勉強会って、どんなことをしているのかと言いますと、以前は、最新判例報告が中心でした。判例タイムズや判例時報といった公刊物に掲載された医療過誤の最新裁判例をみなで検討するというものです。

 これは、大変勉強になりました。我々は、医療過誤の専門弁護士を標榜していますので、そうでない弁護士より比較的多く医療過誤の事件を受けていると思います。とはいえ、1人の弁護士が受任する医療過誤事件の数は限られていますし、そのうち裁判にまで至るもの、さらに判決まで至るものというと、それほど多数とは言えません。
 裁判例の検討は、ある意味で狭い自分の経験を広げてくれるものであり、特に経験年数の浅い若手弁護士にとっては、非常に意義のある勉強でした。

 ところが。昨今、判例時報などの公刊物に掲載される医療過誤事件の件数が、めっきり減ってしまいまして・・・。最新の雑誌から、発表・検討にちょうどいい医療過誤の事案を2件見つけてくるというのが、なかなか困難になってきました・・・。
 それが、医療過誤事件の件数が減っているのか、和解で落ちる件数が増えて判決にまで至っていないのか、はたまた患者側冬の時代と言われている情勢を反映し、患者側敗訴の判決ばかりであまり掲載価値がないのか、はたまたそれ以外の理由なのか、はよく分かりませんが、ともかく、最新判例報告のネタを見繕うのが大変になってきました。

 そこで最近では、何かテーマを決めて、連続シリーズを企画しています。
 過去には、
   ・書籍『医療訴訟』を読む
   ・「相当程度の可能性」論について
   ・損害論の研究
   ・「産科事故とわたし」に沿って
などなど、いろいろなテーマを設定してきました。

 現在は、
   ・これだけははずせない!最高裁判例
   ・「法的責任の根拠としての診療ガイドライン」を読む
という2つのテーマが進行中です。

 9日のB班会議でもこのテーマに沿って勉強会が行われました。

 例えば後者については、今回は、最判平成17年9月8日、「帝王切開術による分娩を強く希望していた夫婦に対し、経膣分娩を勧めた医師の説明が、同夫婦に対して経膣分娩の場合の危険性を理解した上で経膣分娩を受け入れるか否かについて判断する機会を与えるべき義務を尽くしたものとはいえないとされた事例」を検討しました。
 事案の詳細は割愛しますが、発表者は、そもそも控訴審と最高裁で、説明義務の内容に質的な差があるのではないか、最高裁では、刻々と胎児が育って体重が増加していくことや、内診で複殿位であると判断していたことや、帝王切開術に移行するには一定の時間がかかることなども説明しておくべきとしており、その点が判断の差につながったのではないか、と分析しており、たいへん参考になりました(事案の詳細に興味のある方は、判例時報1912号16頁、判例タイムズ1192号249頁などをご覧下さい。)。

 当弁護団では、このように、定期的な勉強会や、先日のブログにもあった事例検討会などを開催し、専門弁護士としての資質を高めるべく研鑽しているところです。

(石田光史)
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2013年03月15日

事例検討会に参加して


 私たちの弁護団では、毎月1回、医師及び薬剤師を交えて、事例検討会を開催しています。ここでは、弁護士が抱えている医療事件を持ち寄り、集団で事案の検討を行っています。
 事例検討会で検討してもらうためには、事前に、依頼書を送ることとされています。そして、当日は、報告担当者が、依頼書をもとに事案の概要や疑問点などを報告し、参加者で討議を行います。

 医療事件は、専門性が高い分野ですので、医師、薬剤師、そして経験豊富な弁護士から意見を聞くことができるこのような機会は、とても有意義だと感じています。自分以外の弁護士が担当している案件の検討会は、いつも勉強になり、知的好奇心が刺激され、とても楽しい時間です。
 しかし…自分が担当者となると、実は、数日前から、緊張のあまり胃がキリキリと痛んでおります。

 というのも、まず、依頼書を作成することが一つ目の山場なのです。
 通常、医療事件の記録は、カルテだけでもかなりの量があり、さらに、参考文献や裁判例などを加えると、ファイル数冊分にわたります。しかし、事例検討会では、一回で数件の事案を検討するため、自分の案件だけで、参加者を長時間拘束するわけにはいきません。
 そのため、参加者に、短時間で、事案の概要や疑問点を把握してもらい、基本的な医学的知見も示すとなると、簡にして要を得た依頼書の作成が求められることになります。
 私は、弁護士になって4年目ですが、まだまだ医療事件はヒヨッ子です。そのため、どのような事実を拾えば、自分の疑問点を正確に伝えることができるのか、いつも頭を悩ませるところです。

 そして、共同受任をしている先輩弁護士に教えを請いながら(弁護団では医療事件は複数で受任することになっています)、何とか依頼書を完成させ、事務局にファックス送信した後は、二つ目の山場である、当日きちんと報告できるだろうか、という心配が始まることになります。
 調査を進めている間は、パソコンで文章や表を作成することは多くありますが、医療用語を口に出すという機会はさほどありません。そのため、いざ事例検討会での報告となると、読みが分からない単語や、正確な意味が分からない略語などが出てきてしまうのです。

 小心者な私としては、依頼書の作成と、用語の確認までは、何とか済ませて事例検討会に向かうのですが、最後の関門は、報告中に出てくる新しい話についていけるのか、という問題です。
 私はこれまで、何度か報告を担当し、また、他の弁護士の報告も聞いてきましたが、ほとんどの事案で、新しい観点からの検討が加えられます。
 例えば、「この検査の結果は?」「どういう薬を使っていたの?」などの質問が、参加者から報告者に投げかけられ、質問に報告者が答えると、「であれば〜だと思うが、この点については検討済みですか?」といったように、検討が深まっていくのです。

 自分が時間をかけて調査してきた点とは違うところに実は大きな問題があると指摘を受けたり、責任追及ができると思っていた事案について難しいという回答を受けたりするなど、冷や汗をかきながら報告を終わらせた頃には、いつも大きな収穫を得ています。

 たしかに、事例検討会の結果、責任追及すべきという結論となれば、その後の事件処理に弾みがつくことは間違いありません。
 しかし、責任追及困難な事案について、そのように指摘を受けることも、時間的にも金銭的にも依頼者に負担をかける裁判を始めるか否かを決定するにあたって、とても大切なことだと思っています。

 医療関係者を交えた事例検討会というのは、全国でもあまり例がないと聞いています。
 このような地盤を作られた先輩方に感謝しつつ、今後も、事例検討会に参加していきたいと思います。

(中西俊枝)
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2013年03月05日

カフェサンフラワー


 今日は仕事とは別の話題をお送りします。

 先日、午後から天神で仕事の予定でしたので、福岡市役所の地下通路(星の広場)にある、カフェサンフラワーで昼食を摂りました。

 ここは、障がい者の方々の就労移行支援施設でもあるカフェです。

 日替わりランチは、ポークソテートマトソース、小松菜と揚げの煮物、グリル野菜とマカロニのサラダにご飯とお味噌汁という、とても充実したメニューに、ドリンクと手作りデザート(この日はチーズケーキ)もついて700円。
 とてもお得で、お味もとってもおいしかったです。

image1.jpeg

 私は少し早めに入店したのでその時は空いていたのですが、お昼時になると続々と客が入り、ほぼ満席になりました。
 スタッフの方もはきはきと楽しそうに働いておられ、いいランチタイムを過ごしました。手作りのお菓子も販売されていました。

 福岡市には、障がい者の方々の働くカフェやレストラン、障がい者施設・事業所で作るお菓子や工芸品などを紹介するWebページ(ときめきウェブ)があります。
 ここで紹介されているお店や商品、食べ物はどれもおいしそうですし、雑貨などはなかなかセンスがよいものがたくさんです。ぜひ一度のぞいてみてください。

 私が福岡市のこの取り組みを知ったのは、時々受診する歯科医院に、ときめきブック(福岡市障がい者施設・事業所の商品カタログ)が置いてあったからです。 聞けば、福岡市の方が一冊置かせてくださいと置いて行かれたとか。
 とてもかわいらしい装丁ですし、内容のあまりの充実ぶりに熟読し、持って帰りたいくらいでしたが、ぐっとガマンしました。
(ときめきブックの内容も、ときめきウェブで見ることができます)

 それまではあまり意識していなかったのですが、福岡市の公共施設にあるカフェは、障がい者の方々がスタッフとして働いているところも多いことを知りました。
 また、色々な地域に多彩な取り組みをされている施設や事業所がたくさんあることも知りました。

 私たちの弁護団にも、障がい者自立支援法違憲訴訟や、精神障がい者の支援に取り組む弁護士がいますが、まずはカフェに行ったりグッズを購入したり、身近なところからの支援も大切だな、と思ったランチタイムでした。

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 デザートのチーズケーキとコーヒーです。ごちそうさまでした(^^)

(安倍久美子)
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2013年02月25日

福岡地裁医療関係訴訟運営改善協議会


 2月15日、福岡地裁で第12回医療関係訴訟運営改善協議会が開催されました。

 これは、医療過誤事件に関わる裁判官(医療集中部)、弁護士(患者側・医療側双方)が、医療関係者とともに、医療過誤に関するさまざまな問題を議論するという協議会です。

 長期間にわたりがちな医療過誤訴訟を迅速に解決する方策として、各地裁に医療集中部が設置されるようになったのは2001年からのことです。まずは東京、大阪の2地裁に医療集中部が設置され、福岡地裁にも2003年4月に設置されました。また、2003年には、民事訴訟法が改正され、専門委員制度が創設されています。

 医療関係訴訟運営改善協議会は、このような情況に対応するために始まったものです。

 全国的に同趣旨の協議会が開催されているようですが、患者側弁護士の間には、このような協議会が、専門委員制度や鑑定のありかたを議論していた当初の趣旨から外れて、医療側が、医療現場での苦労や安全対策をアピールする場になっているという問題点も指摘されています。また、医療過誤訴訟の当事者になり得る(多くの場合は既に訴えられている)大学病院から医療関係者を招くのは、被告側と裁判所との馴れ合いを生むのではないか、少なくとも、医療過誤被害者からみれば裁判所の公平を疑わせるものではないか、との疑問も発足当初から指摘されているところではあります。

 そういった難しい問題があることは確かなのですが、わたしとしては、患者側の問題意識や、患者側代理人の取り組みを医療側及び裁判所に伝える機会として、この協議会を活用すべきだと考えています。

 協議会に参加する福岡県下4つの大学病院(九州大学、久留米大学、産業医科大学、福岡大学)は、確かに被告の立場にもなります。しかし、それと同時に、他の医療機関で医療過誤被害に遭った患者が、その後の治療を行うことが多いのもこれらの大学病院であり、その場合、患者側代理人からすれば協力を要請しなければならない相手になります。もちろん、教育機関として、医学生や若手の医師たちに、医療安全や患者の権利を教育するよう働きかける相手でもあります。実際、2009年の協議会では、当時議論が進んでいた医療事故調査委員会制度について説明し、医療関係者の理解を求める(ついでに医療研で企画しているシンポジウムの宣伝をする)という時間をとってもらったこともありました。


 今年のメインテーマは、「生存率等の医療統計資料の評価について」というものであり、医療関係者の立場から、福岡大学病院の山下裕一先生から、医学研究のさまざまなあり方と、それぞれのエビデンスレベルについて一般的なお話をうかがった後、患者側代理人から石田光史弁護士が、医療側代理人から五十川伸弁護士が、医療統計の扱いが問題になった裁判例をそれぞれ一例ずつ報告しました。

 石田弁護士が報告した裁判例は、横浜地裁平成24年1月19日判決で、胸痛を訴えて緊急搬送された患者に、胸部CTを行わず、大動脈解離を発見できないまま死亡に至ったという事案です。裁判所は、急性大動脈解離の発症の有無を鑑別するために胸部CT等の検査を行わなかった過失を認めましたが、緊急手術で救命された後の予後の統計資料に基づき、逸失利益を減額しているようです。

 五十川弁護士が報告した裁判例は、名古屋地裁平成21年12月16日。胆嚢のssがん(壁進達度が漿膜下層に達するがん)の予後が問題になり、原告・被告双方から、これに関する合計11の医学文献が提出されたという事案です。さまざまな予後予測の統計を示すこれらの資料の中から、裁判所は、事案同様に腹腔鏡手術が施行されたことが明らかな症例を対象とし、かつ母数となる症例数が201と最も多い報告を重視すると判示しました。

 横浜地裁の判決に関しては、「解剖の結果をみると、極めて動脈硬化が強くて、実際の予後は判決の認定よりも相当に厳しいのではないか。そもそも判決が過失と認定している時点でCTを撮影したとして、そこで大動脈解離を発見できたかさえも疑問である、その当たりもう少し適切な司法判断を心がけてほしい」との意見が、また名古屋地裁の判決に関しては、「これらの資料の中から、腹腔鏡手術を行った症例に限定し、かつもっとも母数の大きい報告を重視した裁判所の判断は適切だが、もう少し問題点を絞り込めば、この報告よりもかなり悪い予後が予測される」との意見が、医師側から出されました。

 たいへん勉強になる報告であり、議論だったのですが、考えてみると、わたし自身は、医療過誤訴訟の中であまりこういった統計的な資料に関するぎろんをしていないように思います。確かに、予後が問題になる事案はあり、そういった確率的な数字が報告されている証拠は提出するのですが、それ自体が決め手になるといった訴訟はあまり経験していません。

 例えば、胸部X線写真で肺がんを見落としたという裁判をしたことがあります。発見された時には既に脳転移があってW期、それからほぼ1年後に亡くなりました。後で振り返ってみると、脳転移が発見される1年前の胸部X線写真に、肺癌と思しき異常陰影が見られます。このときに胸部CTを撮影していれば、予後は全く違っていたのではないか、という裁判です。過失が問題になる時点の情報はその胸部X線写真が1枚あるだけで、他の検査は何も行われていません。この胸部X線上の陰影からすればTaあるいはTbであり、その前提で予後を認定して下さいというのが患者側の主張であり、あれこれ可能性を並べて、予後はもっと悪いのではないかと主張されても、それを調べてないこと自体が医療側の責任ではありませんか、というほかないのです。

 この協議会で報告された2例は確かに統計の議論が重要だったのかもしれませんが、そういった事案がどれくらいあるだろうか、と正直なところ思いました。

 そもそも、損害賠償訴訟における損害の認定というのは、医療過誤に限らず仮定に仮定を重ねたものであって、自然科学的に厳密に計算できるものではありません。その医療過誤の被害者の情況にぴったりあった医療統計が都合よく存在する場合は少なく、あまり統計的な数字を重視すると、ないものねだりを重ねてかえって訴訟が迷走する危険も感じます。結局のところ、損害認定というのは、損害の公平な分担という観点からの法的評価であって、医学的な統計資料はその材料の一つだという程度の捉え方でいいのではないでしょうか。

「訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑を差し挾まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りるものである」というのは、最高裁昭和50年10月24日のルンバ−ル事件判決で示された因果関係の考え方ですが、自然科学的な証明と訴訟上の証明の違いは、損害論についても忘れてはならないことだと思います。

(小林洋二)
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2012年12月14日

韓国視察ツアー


 少し前になりますが、去る10月17〜19日、当弁護団の久保井弁護士・石田弁護士が、韓国に視察旅行に行ってきました。

 その様子を、石田弁護士が自身のブログにアップしていますので、ご紹介いたします。


  その1

  その2

  その3

  おまけ

(管理人)
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2012年07月30日

医療に翼を 〜和白病院訪問記〜


 先日、和白病院の見学に行ってきました。

 その際の感想を、九州合同法律事務所で実務修習中の金納修習生が書いてくれましたので、以下ご紹介します。


1 はじめに

 はじめまして、司法修習生の金納達昭と申します。今年の5月31日から7月30日まで、九州合同法律事務所で弁護修習をさせて頂いています。

 7月23日、医療研の弁護団の先生方と一緒に、福岡市東区の福岡和白病院において、医療搬送用ヘリコプターの見学をし、同病院の副院長兼救急部長・救急搬送システム部部長である冨岡譲二先生のお話を聞かせてもらう機会があったので、その報告をさせて頂きます。


2 医療搬送用ヘリコプターの見学

 福岡和白病院に着いてまず、医療搬送用ヘリコプターの飛行訓練が行われるということで、その現場を見学させて頂きました。

 福岡和白病院の医療搬送用ヘリコプターは、名称を「ホワイトバード」といい、100%民間運営の医療搬送用ヘリコプターです。行政である国や地方自治体が運営するドクターヘリや消防防災ヘリと比べると、離発着場はひとつひとつ許可が必要で事故現場に急行するといった使い方は出来ませんが、行政区域に縛られない搬送や離島・僻地への下り搬送が可能という、ドクターヘリや消防防災ヘリにはないメリットがあるうえ、患者に搬送費の負担はないそうです。

 今回訓練に使用されていたのは、「ホワイトバード」ではない代替機でしたが、「ホワイトバード」も同型で、軽量級のコンパクトなタイプのものだということでした。機体の中にも入らせてもらったのですが、患者や医者を含めた合計6人が乗ることができるよう、空間を機能的に使った構造になっていました。

 そして、実際に、ヘリコプターの離陸を見てみると、すごい風が吹いて離陸したと思ったら、あっという間に小さくなっており、大変なスピードだなと感じました。実際、福岡和白病院から対馬まで約33分で到着するらしく、離島や僻地に住まわれている方々にとっては、医療機関にアクセスする大変有効なオプションであると思います。


3 冨岡先生のお話

 その後、冨岡先生に福岡和白病院内を案内して頂いた後、スライドを交えて、冨岡先生の経歴や、福岡和白病院が医療搬送用ヘリコプターを運営することになった経緯、そして冨岡先生が弁護側証人をつとめた押尾学の裁判についてのお話を聞かせて頂きました。

 冨岡先生は、これまでに海外での被災地支援など様々な活動を行っており、また医療搬送用ヘリコプターの話を持ちかけられてからわずか9ヶ月間で運営を開始したそうで、とてもフットワークが軽く行動力に長けた方なのだなという印象を抱きました。

 また、冨岡先生は、世間からバッシングされるリスクを冒して、あえて押尾学の裁判で証言をしたのは、被害者の方の救命可能性に関して医学的に誤った裁判例が作られるのは、今後の医療現場のために良くないとの思いからであるとお話しされました。個人的な損得を超え、医師としての職業的な倫理観に従うという行為は、とても勇気のいることだと強く感じました。


4 終わりに

 その後、病院の近くにある冨岡先生のなじみの中華料理屋で食事をしながら、いろいろなお話を聞かせて頂き、とても楽しい時間を過ごすことができました。

 冨岡先生と半日お話しして、冨岡先生は、とても接しやすいフランクな人柄でありながら、医師としての倫理観持ち、それを貫く強さを持った方だなと思いました。

 世間からバッシングされるかもしれない場にあえて出ること、誰もやらない新しい事業を始
めること、どれをなすにもとても力が必要だと思います。

 患者側の弁護活動を行う医療研の先生方もそうですが、それぞれ職業にプラドをもってやるべきこと貫くことは、良い社会を構成していくためにとても大切なことだと思います。

 そして、そのような矜持を持って活動されている方は、人間的にも魅力のある方だなと感じました。

(管理人)
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2009年09月19日

九州・山口医療問題研究会福岡県弁護団ブログ

 はじめまして。

 私たち九州・山口医療問題研究会福岡県弁護団は、医療過誤事件について、患者側の代理人弁護士として活動している弁護団です。ご相談方法等については、以下をご参照下さい。

  http://www.f-iryouken.org/

 弁護団では、医療過誤事件の取り組むだけでなく、よりよい医療を目指し、イベントを開催したり、研究活動を行ったりしています。このブログでは、そんな弁護団の活動を紹介し、その他医療問題に関する情報をお届けしたいと思います。
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