明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
・・・・と言っていますが、前回更新が8月・・・。あまりにサボりすぎましたね・・・。今年はもう少しマメに更新していきたいと思います。
{へ}変形性膝関節症
関節の退行性病変。多くは中年以降に起こる。関節体の形体が変化して、初期には関節の運動痛、荷重痛があり、関節可動性が減少してゆく。関節は拘縮位をとり、しばしば著名な摩擦音、軋轢音を認める。X線像は特有の関節縁の尖鋭化、骨棘形成、関節裂隙の狭小などが見られる、とされる。
こんな事件があった。
相談者は70代を前にした女性。いかにも争いごとは嫌い。おとなしく、静かな人柄。人生のまとめの時期を向かえ、それを自覚しつつ、堅実な生活を望まれている風。この症状で、近くの整形外科に通い、貼り薬、マッサージ温浴療法などを続けてきた。先代から付き合いのある医院。引き継いだ若先生も信頼していた。自分の子と同じ世代の若先生お勧めのステロイド剤の関節内注入療法を受けた。膝の積年の痛みと不自由さからの解放を願いつつ。
注射して2ないし3時間後から、強い痛みと、腫れが持続。翌日、不調を訴えるも取り合ってくれない。結局、膝関節を切開し洗浄して感染を止めた。この間の感染時に関節内軟骨などを損傷して後遺。
「裁判はしたくありません。ただ、反省させて、同じような間違いを起こさせないようにしたいと思います。」
「彼(若先生のこと)はなんと言っていますか。非を認めていますか。」
「いいえ。年間に1000例くらい注射していますが、このようなことはこれまで一度もありませんでした。残念ですが原因はわかりません、と言っています。」
「あなたはどう思いますか。彼のその言い分をお聞きになられて」
「注射のときにはばい菌が入ったに決まっています。そんな当たり前のことなのに子供の言い訳です。わかりきったことを、わからない振りをして、通そうとする 態度が許せません。」
証拠保全を行い、内容証明による示談交渉を開始。はじめ責任を否定していたが、当方は、注射部位、あるいは注射針の消毒不全などとの選択的過失を主張し、それ以上に感染経路の特定は要らないとする最高裁判例に準拠した。
相手方が有責を認め、謝罪し、再発防止を約束して和解解決。
{類似語}慢性関節リウマチ
20才から60才の女性に好発し、小関節より漸次大関節を対称的に侵す。
関節変化が高度になると特異な変形を呈す。強直、脱臼をきたし、筋肉、皮膚、爪にも障害を認める点で異なる。
{一口メモ}注射感染、原因不明は自白と同じ。
(八尋光秀)
2011年01月04日
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