私達は毎年12月に医療事故110番と称して、医療事故に関する相談を電話で受け付けるイベントを開催しています。
このイベント、なかなか広報が行き届かないのですが、うまく広報できたときには、ひっきりなしに電話が鳴ったりもします。実は、医療過誤ではなかったのか…と、不審に思いながらも声を上げられずにいる方って、未だに多いのだな、と、毎回思い知らされるのでした。
今年は、12月ではなく、間もなく、
10月12日(土)午前10時から午後3時までの間、
下記の電話番号で相談を受け付けます。
092(641)2007
この番号は、当日限りです。くれぐれもお間違いなきように。
2015年10月1日に医療法の改正により、「医療事故調査制度」が始動してから、この10月で5年目の節目を迎えます。
これを記念して、愛知県にある医療事故情報センターが全国の医療問題弁護団・研究会に呼びかけて、全国一斉で電話受付を行うことになったものです。
数多くの医療過誤被害者たちの、私達の被害に学び、再発防止につなげてほしい、医療事故に学ぶ文化を医療の中に育てたいという思いを受けて始動したこの制度、しかし、十分に機能しているとは到底いえない状況です。
この制度では、医療に起因する「予期しなかった」死亡や死産をもって「医療事故」と位置付けています。
つまり、対象はとても広域にわたるはずです。
けれども、実際には予期しなかった死亡や死産があっても、病院管理者は「事故ではない」「予期できた」と言って、なかなか届け出ようとしないのです。
そこには、いまだに、事故と過誤を混同している誤解があるように思われてなりません。
事故に学ぶことの大切さを、これからも言葉を尽くして伝えていきたい、そう切に思います。